2025年8月29日より、米国で800ドル以下の輸入品に対する免税措置「デミニミス・ルール」が撤廃されます。
今回は、デミニミスルール撤廃によるコストへの影響と、最適な配送方法について詳しく解説します。
この記事では、以下の点について詳しく解説しまています。
- デミニミス・ルール撤廃によるコストへの影響
- 最適な配送方法について
- 日本郵便は配送方法の選択肢から除外
- おすすめの配送方法はCPaSSの「SpeedPAK Economy」
- 配送方法ごとのコスト比較
- 新たな手数料「MPF手数料」

この逆風をチャンスに変えるために、セラーとして今知っておくべきことをわかりやすくまとめました。
ぜひ、最後までご覧ください。
当ブログを運営しているAwiiinでは、今回ご紹介するマーケティングツール「Bee」を無料で一般公開しました。
ご興味のある方は、Awiiinの「Bee特設サイト」より詳細をご確認ください。


■多くのメンバーが在籍する Awiiinコミュニティへ
- 月額5,500円で利用可能
- 埼玉県を代表する企業100選にも選ばれました
- AI搭載の一括編集ツール「Specifics-IN」
\ 無理な勧誘は一切行っておりません /
\ お好きな時間を予約できます /
デミニミス・ルール撤廃によるコストへの影響


デミニミスルール撤廃後は、主に以下の3つのコストが追加で発生します。
- 基本的には一律15%の関税がかかる
- カテゴリーによって変動する可能性がある
- 関税額の計算方法
- 関税額=商品価格 × 関税率
- 関税処理手数料(DDP)が発生する
DDPとは、関税・手数料をセラーが負担すること(商品価格に上乗せして徴収) - 販売価格の見直しが必要になる
- 関税処理手数料の計算方法
- 関税処理手数料=(商品価格+関税額)× 2.1%
- 例:100ドル商品を販売する場合、(100ドル+15ドル)× 2.1%=2.42ドルの関税処理手数料が発生
- 通関手続きそのものにかかる手数料
- 通関手数料はどのキャリア(発送業者)でもかかる
- 通関手数料の計算方法
- 通関手数料=225円/パッケージ(≒約1.5ドル)※一律固定料金



デミニミスルール撤廃後は、追加コストを考慮した上で販売戦略や配送キャリアの選択を行うことが重要になります。
また、記載されている数値については、キャリア(配送業者)によって変動します。
なお、デミニミス・ルールについて過去に解説している記事を作成しているので、併せてご確認ください。


最適な配送方法について
デミニミスルール撤廃に伴い、配送コストはビジネスに大きな影響を与えます。
最適な配送方法を選び、賢くコストを管理することが、今後のeBayビジネス成功につながるでしょう。
ここからは、2つの配送方法について解説します。
日本郵便は配送方法の選択肢から除外


デミニミスルール撤廃後の配送戦略を考える上で、以前まで推奨していた日本郵便は、今後おすすめできません。
おすすめできない理由は、以下のとおりです。
- 受け入れ停止
- 日本郵便は2025年8月25日時点で、国際郵便物の受け入れを停止しているため、利用できない
- DDUの優位性がなくなった
- 以前はDDU(Delivery Duty Unpaid、関税購入者払い)の選択肢があった
- セラーにとってコストを抑える有効な手段でしたが、このメリットも受けられなくなった



eBayセラーは、日本郵便以外の代替キャリア(配送方法)を検討する必要があります。
特にコストを抑えたい場合は、CPaSSのSpeedPAK Economyなどが優良な候補となるでしょう。
日本郵便の受け入れ停止については、公式サイトでも発表されているのでご確認ください。
おすすめの配送方法はCPaSSの「SpeedPAK Economy」


日本郵便が利用できない現状において、配送方法として最もおすすめなのがCPaSSの「SpeedPAK Economy」です。
例えば、100ドルの商品をSpeedPAK Economyで発送する場合、配送費用は以下のとおりです。
- 関税額の計算
- 関税額=商品価格100ドル×関税率15% =➀15ドル
※日本製品の場合、基本関税率は15%
- 関税額=商品価格100ドル×関税率15% =➀15ドル
- 関税処理手数料の計算
- 関税処理手数料=(商品価格100ドル + 関税15ドル)× 2.1%=②0.32ドル
- 通関手数料の計算
- 通関手数料=225円≒③1.50ドル
- 総追加コストの計算
- 関税+関税処理手数料+通関手数料=➀15ドル+②0.32ドル+③1.50ドル=16.82ドル



eBayの手数料も考慮すると、最終的な販売価格は124ドル(1.24倍)がおすすめです。
なお、SpeedPAK DHL/FedExについては情報が不明瞭なため、Orange Connex社のホームページにて最新情報を入手してください。
配送方法ごとのコスト比較


現時点での最適な選択肢は、小口であればSpeedPAK Economy、大口・高額商品であればSpeedPAK FedExがおすすめです。
各配送方法による料金比較は、以下のとおりです。
- 特徴:最もコストパフォーマンスに優れている
- 追加コスト例(商品価格100ドル、関税15%の場合):約16.82ドル
- 関税15ドル、関税処理手数料0.32ドル、通関手数料1.50ドル
- 評価:DDP手数料が安く、小額輸送者(高単価ではない商品)には最適な選択肢と言える
- 特徴:SpeedPAK Economyに次ぐ選択肢ですが、DDP手数料が高め
- 追加コスト例(商品価格500ドル、関税15%の場合):約90ドル前後
- 関税75ドル、関税処理手数料1.58ドル、通関手数料1.50ドル、その他手数料10~20ドル
- 評価:高額商品向けには選択肢となり得ますが、コストは慎重に比較する必要がある
- 特徴:Economy・FedExと比較して、最もコストが高くなる可能性がある
- 評価:現状では、コスト面から優先順位は低い
※日本郵便は、国際郵便物の受け入れを停止しているため、配送方法の選択肢からは除外



配送方法を選択する場合は、大きさや重量を考慮して、SpeedPAK EconomyかSpeedPAK FedExの2択と言って良いでしょう。
新たな手数料「MPF手数料」


MPF手数料とは、米国に輸入される貨物に対して課される商品貨物処理手数料です。
MPF手数料には、以下の2種類があります。





簡単に言うと、2,500ドル以上の貨物については商品価格に対し約0.3435%、2,500ドル未満は固定金額で2.62ドルが適用されます。
※2025年10月1日からは、2.62ドルから2.69ドルに変更になります
また、MPF手数料は「輸入者」、つまりバイヤーが支払う金額です。
そのため、現時点ではCPaSSの料金にも含まれず、セラー負担は必要ありません。
MPF手数料の詳細については、以下のサイトに記載されているので、翻訳してご確認ください。
まとめ|配送方法はCPaSSの「SpeedPAK Economy」が第一候補!


この記事では、デミニミス・ルール撤廃がもたらす影響と、対応策についてまとめました。
- デミニミスルール撤廃による新たなコスト
- 関税額:原則として商品価格の15%が課税対象となります(カテゴリーにより変動あり)。
- 関税処理手数料 (DDP):セラー負担となり、商品価格の約2.1%が目安です。
- 通関手数料:一律225円(約1.5ドル)がパッケージごとに発生します。
- 最適な配送方法
- 小口・低価格帯の商品はCPaSS SpeedPAK Economy
- 大口・高額商品はCPaSS SpeedPAK FedEx
- 日本郵便は選択肢から除外
- CPaSS SpeedPAK DHLはコストが高くなる傾向がある
- 新たな手数料「MPF手数料」
- 支払い義務はバイヤー(セラーの直接的なコスト負担は現時点ではなし)
- 2,500ドル以上の貨物には約0.3435%、2,500ドル未満は固定で2.62ドル



今回の制度変更は、今後の輸出ビジネスのコストや戦略に大きな影響を与えるので、早めに最適な対策を取りましょう。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
なお、今回ご紹介した記事は、以下の動画でもご覧いただけます。


■eBayマーケティングツール「Bee」ついに一般公開




「Bee」とは、eBayツール史上、全く新しいAIチャット×マーケティングツールです。
顧客対応(AIチャット)・ストア分析・一括DM&メール送信機能・税務管理がBeeひとつで全て完結します。
主なメリットは、以下のとおりです。
- AIが顧客への返信文を瞬時に作成
- 海外からの問い合わせを自動で日本語に翻訳
- AIが自動で返信内容をカスタマイズ
- 場所を選ばず、いつでもどこでも顧客対応が可能
- 問題のあるバイヤーを自動で記録
時間のかかる作業から解放され、売上アップにつながるコア業務に集中できます。
\アカウント登録すれば無料で始められます!/


初心者ほど取り組みべき課題として、item specificsへの入力作業があります。
item specificsの各項目を埋めることで、SEOが向上し、インプレッションが増加すると言われています。
その結果、ストアの売上が増大し、セラーに多くの利益をもたらすでしょう。
ただし、item specificsの入力には、相応の時間や労力が必要になります。
そこでご活用いただきたいのが、Awiiinの「Specifics-IN」です。
Specifics-INの特徴は、以下のとおりです。
- タイトル生成、商品説明生成、item specificsの自動挿入などのAI機能を搭載
- 商品の画像解析による説明文の自動生成
- 手動出品の精度を保ちながら一括出品が可能
- 従来の手作業に比べ、出品にかかる時間を最大80%削減
- 一括管理機能で価格変更や不要商品の削除が簡単に
- SEOに最適化されたタイトル・説明文の生成で、商品のインプレッションとアクセス数を増加
- 詳細な価格設定や手数料計算で利益率を最大化
Specifics-INはeBayセラーにとって、出品作業を効率化し、売上を向上させるための強力なツールとして注目されています。
ご興味のある方は、以下のボタンをクリックしSpecifics-INの詳細をご確認ください。
\作業効率を最大化できるツール!/
当ブログでは初心者さん向けの記事も多数ご用意していますので、ぜひお読みください。








菊池 駿(きくち しゅん)
株式会社Awiiin 代表取締役・eBay物販輸出のツール開発者
- 芝浦工業大学 数学科 卒業
- 2014~2019年:5年間中学校数学教師として勤務
- 2018年:YouTubeチャンネル「eBayから始めよう by Awiiin」開設
※チャンネル登録者数”9,110人”(2025年6月時点) - 2020年:eBayに特化した「Awiiinコミュニティ」運営開始
※コミュニティメンバー”551名”(2025年6月時点) - 2020年:「株式会社Awiiin」設立
- 2024年:「埼玉を代表する企業100選」に選出