eBay輸出において、”パテント・トロール”という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
しかし、具体的にパテント・トロールはどういったもので、それがどのような影響を与えるのか、その対策は何かという点については、詳しく知らない方も多いでしょう。
本記事では、パテント・トロールが何であるか、その具体的な被害事例、そしてそれに対する対処法について、むろむろさんと深く掘り下げていきます。
eBayを安全に運営するために、このようなリスクを知っておくことは非常に重要です。
それでは、パテント・トロールについて深くみていきましょう。
※これから解説するパテント・トロールの対策や考え方についてはむろむろさんの個人的解釈となります。
ebayのパテント・トロールとは何か?
特許トロールと言われていて、曖昧な特許を監視して、他の人が使ってるって言って訴訟を起こすことです。
ちょっとややこしいですけど、要は自分の特許を勝手に使われてると主張してるわけです。
アメリカの法律とeBayでいうパテント・トロール
アメリカではね、個人情報がなくても訴訟が起こせるんですよ。
だから、個人情報が曖昧な状態でも、eBayのアカウントに対して訴訟を起こせるんです。
これが、パテントトロールが活動しやすい環境を作ってるんですね。
パテント・トロールによる具体的な被害事例
例えば、PayPalやeBayでの事例を見ると、アカウントが凍結されて、資金が取り残されるっていうのがあります。
例えばね、PayPalに100万円プールしてたとして、訴訟でアカウントが凍結されたらその100万円引き出せなくなるんですよ。
ebay輸出で日本における詐欺行為との類似点
日本でもね、アダルトサイトの利用料金の偽請求で小額訴訟が起こされることがあります。
裁判所からの通知を無視すると、結局訴えた側が勝ってしまうんです。
これも、パテント・トロールと似たようなものですよね。
訴えられた場合の例
例えば私が「システム使用料を払え」って訴えを起こすとしますよ。
相手がそれを無視してたら、裁判所から「30万円払え」って命令が来るんですよ。
これが、パテントトロールの一般的な流れです。
ebay パテント・トロールの流れ
eBayからの通知とその内容
まず、パテント・トロールを受けた場合、eBayからメッセージが来ます。
「裁判所から命令があったので、このアカウントを凍結しました」という内容ですね。
この通知には、事件番号や弁護士のメールアドレスが載っています。
事件番号の調査
その事件番号を実際のアメリカのサイトで調べることができるんです。
本当に存在する事件として掲載されてるんですよ。
ebayのパテント・トロール 具体的な事例
例えば、このリバーシブルのオクトパスぬいぐるみのケースがありました。
特許や商標登録されている商品に対して訴えが起こされるんです。
アメリカの裁判所で起こされた訴訟の履歴も確認できるんですよ。
裁判所の命令によるアカウント凍結
実際に、eBayは裁判所の命令に基づいて、アカウントの凍結を行います。
こういう状況だったっていう履歴が載ってるんです。
原告と被告の状況
ただ、ここで注意が必要なのが、原告が本当に訴えているのか、それとも全く違う第三者が詐欺としてやっている可能性もあるんです。
ただ、詐欺かどうかはどうしても調べようがないのが現状です。
ebayパテント・トロール 最近の事例:ゴジラ
最近の事例で言うと、ゴジラがありました。原告の名前が東宝株式会社になっているんです。でも、本当に東宝が訴えているのか、という疑問はありますよね。
そういう通知がきてアカウント凍結されました。そこからどうすればいいんですか?
パテント・トロールに訴えられた場合の対応策
アカウントの放置と捨てる選択
まず基本的には、訴えられたらアカウントを放置して、そのアカウントを捨てるっていう選択肢があります。
訴えられたeBayアカウントはもう使えないから出品もできないし、出金もできないからです。
もう一つの方法は、アカウントを取り戻すことです。
戦う2つのパターン
- 裁判で戦う
裁判で戦う選択肢もありますが、アメリカまで行かなければならず、弁護士費用も非常に高いです。相場は200〜300万円ほどですね。 - 和解を選ぶ
もう一つは和解をして、アカウントの登録を解除してもらうことです。
ebay アカウント パテントトロール
ただアメリカで裁判を起こすとデメリットが多いです。
- アメリカに行かなくてはいけない
- 弁護士費用が高い
和解のプロセス
和解するには、
- 弁護士を通じて連絡をする
- 自分で交渉する
弁護士を通じて連絡する場合は、日本の弁護士に依頼します。
費用は大体20〜30万円かかりますね。
また、自分で和解交渉することもできます。
ただし、費用はかからないですが、ふっかけられる可能性がありますよね。
和解保険の利用
パテント・トロールの一種の詐欺的な側面を考慮して、保険のようなものがあります。
※ただし、保険の対象は和解金のみで、弁護士の費用は対象外です。
下記は保険と和解の比較になります。
正直、保険と和解で大きな差はない可能性もあります。
和解金の実例
和解金の最安値は、現在1000ドル(約15万円)くらいだと聞いています。これは交渉次第ですね。
弁護士費用は?
直近では私が交渉文を書いて、1000ドルで和解しました。弁護士に頼まず、自分で交渉して和解金を支払いました。
ebayでパテント・トロールに訴えられた場合の対応策まとめ
- いくらで取り返せるか
- そのアカウントがどれだけ大事か
この辺りを加味して戦うか戦わないかを選択していくべきだったが、問題が発生してきているんだよね。
パテント・トロールによるアカウント凍結と対応策
eBayのAwiiinコミュニティで、Payoneerアカウントまで凍結されたって報告があって、これは結構本気でやってきてるなって感じましたね。
国際的な財産差し押さえ
アカウントを放置すると、裁判に負けたと見なされます。
アメリカの裁判で負けると、アメリカにある財産が差し押さえられるんです。
日本など他国の財産を差し押さえるには、アメリカの外務省を通して複雑な手続きが必要です。
そのため、パテント・トロールの多くはアメリカの財産に注目しているんですよね。
Payoneerアカウントの凍結問題
裁判に負けた結果、Payoneerのアカウントも凍結される事態が起きています。
サブアカウントも含め、Payoneerを通じた出金ができなくなっているんです。
戦うべきかどうかの判断
じゃあ、戦うしかないのかっていうところですね。でも、100%回避は無理だとは思います。
ただ、法律を守っているよというテイであれば、訴えられる可能性は低いと思うんですよ。
法律遵守の重要性
要は、商標権、著作権、特許権などを守っていれば、問題は少ないはずです。
でも、100%安全とは言えないんですよね。※これはあくまで私の個人的な見解ですから。
ebayでパテント・トロールによる訴訟リスクと対処法
訴えられる商品の種類
訴えられる商品って、どんなものなんでしょうか?
実は、中国のサイトなどで見ると、様々な商品がパテントトロールの対象になっています。
初音ミクのような商品も含まれているんです。
商標は世の中にたくさんありますから、どんな商品でもリスクはありますね。
法律など注意すべきことををある程度認識した上で、出品することが大事です。
中古商品の取り扱い
中古商品は大丈夫なんですか?
結論から言うと、中古商品が大丈夫というわけでもないです。
消費者が一度買った商品は、その権利が消尽されるため、中古市場での販売は問題ありません。
詳しくは法律をみてください。
ただし、偽物や誤った情報を記載すると、中古でも問題になります。
違反する可能性のある法律
パテント・トロールは、ランハム法、コモンロー侵害、不正競争防止法などを引き合いに出して、商標権に関連する違反を指摘してきます。
これは新品でも中古でも問題になり得ます。
特に新品で出品は危ないですね
新品で出品すると、色々な商標や権利に違反していないかなどの問題が出てくるからです。
なので、たとえ新品であっても、中古品で出品することが重要になってきます。
簡単にいうと、消費者に誤情報を与えないようにしましょう。
ブランド物の偽物の販売や、不正競争防止のような感じで似たような名前を使って販売したりすると、消費者に誤情報を与えていることになりメーカーの価値を下げる行為になります。
なので、そういった行為は行なっていませんよ。法律は守っていますよ。もし違反があれば直します。という注意文を記載することで、凍結させる前に連絡をしてくれるのではないかと思っています。
ただ、やはりパテント・トロールというのは、交通事故に遭うようなものなのでこの文面を記載しておくだけで、100%大丈夫とは言い切れないです。
やらないよりやっていた方がマシというイメージです。
ebay出品時の注意点
まずは日本の物を極力出品するようにしましょう。
中古であればロゴが写真に入っているとアウトなので、物だけの写真がBESTですね。
eBayのVeRoポリシーにも注意が必要です。どんな商品がダメか、しっかりチェックすることが重要ですね。
ebay個人輸出 パテントトロールまとめ
法律、eBayのルールを理解し、基本は中古品を出品する。写真はロゴを入れないなど慎重に活動することで、一定の抑止力になるかなと思います。
eBay出品時の商品カテゴリーの注意点と法的対応
出品カテゴリーの注意点
まず、eBayのファイルエクスチェンジや出品ツールを使う際に注意が必要です。
1000番が新品、3000番が中古品ですが、3000番が適用されないカテゴリーもあります。
中古品を出品する場合でも、カテゴリーによっては『Used』として扱われないことがあるので、出品後に確認することが大切です。
特にVideo Game Consolesなどが要注意です。
ツールに頼りすぎず、出品した商品を1つだけでも自分で3000ばんになっているか確認することが大事です。
ツールはあくまでも補助的な物だと理解し、自分のアカウントは自分で守る意識を持っておきましょう。
法律の理解を深めるチャットGPTの利用
中古品販売に関しては、例えばランハム法のような法律が関係してきます。
わからない法律については、チャットGPTなどで質問してみるといいですよ。
例えば、「中古販売に対してランハム法は利用されますか?」といった質問で、法律の概要を理解することができます。」
ebayパテントトロール まとめ
アメリカのゆるい法律を利用して個人情報が曖昧な状態で、eBayで出品しているアカウントに対して(著作権侵害などの理由で)訴えること。
訴えられた時点で、eBayアカウントは凍結されるが、最近ではぺイオニアアカウントの凍結までされてしまう。
また、訴えられて無視していると敗訴になり多額のお金を払うことになるのだが、個人情報が曖昧な状態のため詐欺かどうかすらも調べられないのが現状。
- 法律、eBayのルールの概要を知っておく。
- 基本は中古品を出品する。
- 写真はロゴを入れない。
- 法律違反(偽物を売るなどの行為)はしていませんよ。もし違反があれば直します。という文面を商品説明なりに入れておく。
パテントロールの概要が知れて、少し怖くなくなりました。
今までのポイントを守っていてもそれでも交通事故(パテントロール)が起きることはあるから、その時はもうしょうがないですよね。
ただ、これを頭の隅っこに置いておいて、こんなことがあるという事実は覚えておいた方がいいかなと思います。
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名前:菊池 駿(@awiiin)
株式会社Awiiinの代表取締役。ebay物販輸出のツール開発者
2014~2019年の5年間中学校数学教師として勤務。その後、独立。
ebayに関してはYouTubeチャンネルでも発信しています。
2020年5月〜現在までebayコミュニティ運営をし、最新情報の共有をしています。