
中編に続き、2026年7月16日に開催された「【セラーミートアップ2026】~アカウントヘルス・広告活用セミナー~|eBay Account Health & Ads」について、現地レポートをご紹介します。
今回は、eBay公式配送サービス「SPeed PAK」を提供するOrange Connex Japanより、EUの関税制度改正と米国CPSCの適合証明義務化について解説がありました。
また、実際にeBayで成果を上げているセラー2名とeBay広告チームによるパネルディスカッションが行われ、広告運用の実践的なノウハウが共有されています。
- EU向け発送における関税制度改定の3つのポイントと、SPeed PAKのキャリア別コスト比較
- 一律関税の計算ルールと、フランス・イタリア・ルーマニア宛て発送で発生する追加手数料
- 米国CPSC適合証明義務化の背景と、対象商品を確認する2つの方法
- 7月20日以降のCPaSS運用スケジュールと、セラーが今すぐ着手すべき3つの準備
- eBayで成果を上げるトップセラー2名によるパネルディスカッション
制度変更が相次ぐ中でも、正しい情報をもとに早めに準備を進めることが、ストア運営を安定させるポイントです。
すぐに実践できる情報が揃っていますので、ぜひ最後までご確認ください。
なお、【中編】では、広告活用をテーマにした内容を解説しているので、あわせてご覧ください。
EUの関税制度改定とSPeed PAK

制度変更は2026年7月に集中しており、特にCPSCの本番運用開始日は7月20日に変更となっています。
まずはEU向け発送に関する変更点を整理します。
EU発送における3つの変更点

EU向け発送における変更点は、以下の3つです。
- 150ユーロ以下の貨物への一律関税
- HSコードごとに3ユーロの固定関税が課される
- SPeed PAKにおけるDDP必須化
- 未払いリスクなどを考慮し、150ユーロ以下の貨物はDDP(仕向地持込渡し)が必須
- HSコードの必須化
- スピードパックのFedEx・DHL利用時は6桁のHSコードの入力が必須
一律関税の計算ルールとコスト比較

固定関税3ユーロは、HSコードごとに課税されます。
異なる2つのHSコードの商品を同梱発送する場合は、3ユーロ×2で合計6ユーロが課税される仕組みです。
追加費用は「固定関税」「通関処理手数料」「その他通関関連費用」の3種類で、配送キャリアによって差があります。
| 費用項目 | SPeed PAK FedEx/エコノミー | SPeed PAK DHL |
|---|---|---|
| 固定関税 | HSコードごとに3ユーロ | HSコードごとに3ユーロ |
| 通関処理手数料 | 発生 | 発生 |
| その他通関関連費用 | 発生しない | 1出荷あたり850円 |
| FedEx直接支払い選択時 | 別途手数料が発生 | ― |
コスト差が大きいため、キャリア選定には注意が必要です。
さらに、EU共通の税制とは別に、以下の3か国宛て発送では各国独自の手数料が追加されます。
- ルーマニア:5ユーロ(申告価格150ユーロ未満の輸入貨物1件につき発生)
- フランス:2ユーロ(申告価格150ユーロ未満を対象に、HSコード単位で発生)
- イタリア:2ユーロ(申告価格150ユーロ未満を対象に、1出荷ごとに固定で発生)
コスト上昇の話が続く一方で、朗報もあります。
現在、ドイツのみ対応のEU向けエコノミーサービスが、2026年第3四半期中にEU27か国へ拡大されます。
具体的な開始日程は確定次第案内される予定です。
米国CPSC適合証明の義務化

米国向け販売において、注意したいのが「CPSC(米国消費者製品安全委員会)」の適合証明に関する規制強化です。
子供用製品などを扱うセラーにとっては、出荷前の書類確認が義務付けられており、対応の有無が通関トラブルや罰則リスクにつながります。
ここからは、CPSC規制について押さえておくべきポイントを、以下の3つの観点から解説します。
制度の全体像から実務での準備事項まで順を追って確認し、7月20日の切り替えに備えましょう。
CPSCとは何か、対象商品の確認方法

米国向けに子供用製品などを扱うセラーは、出荷前にCPSCの適合書類を提出する義務があるため、まず自社商品が対象かどうかを確認する必要があります。
CPSCは今回の規制により、対象製品を出荷前に確認せず米国へ輸出すると、書類不備で通関トラブルや罰則の対象となるリスクがあるからです。
対象商品かどうかは、以下の2つの方法で事前確認できます。
- CPSC公式サイトの無料診断ツール「レギュラトリーボット」を利用する
※質問に答えるだけで必要書類の有無を自動判定 - 公開されている約600種類の高リスクHSコードと自社製品のHSコードを照合する
診断ツールとHSコード照合を組み合わせることで、自社の取扱商品がCPSC規制の対象か漏れなく把握できます。
運用スケジュールの変更とオンライン化

CPSCの制度変更に対して、CPaSSの運用は2段階に分かれます。
- 〜7月19日
- オフラインプロセス(暫定措置)。対象商品がある場合はメールで通知が届き、必要書類を手動で送付
- 7月20日以降
- オンラインプロセスへ移行
- CPaSSにあらかじめ適合証明書を登録しておくことで、注文発生時にCPSC情報が自動適用される
7月20日には手動対応から自動適用の仕組みへと切り替わるため、セラーは移行前に適合証明書の事前登録を済ませておくことが重要です。
罰則リスクとセラーが取るべき対応

CPSCは当初「書類がなければ通関不可・返品」という運用でしたが、最新の緩和措置で「データ未提出のみを理由に輸入拒否はしない」ことが発表されました。
セラーが今すぐ着手すべき準備は以下の3点です。
- 自社取扱製品がEU・CPSCの対象になっていないかの確認
- おもちゃ・ベビー用品のCPSC提出用有効書類の取り寄せ
- EU向け150ユーロ以下商品の一律3ユーロ課税とDHL追加850円を踏まえた配送コストの見直し
ただし、適合基準自体が緩和されたわけではなく、書類提出要求に応じられない場合は罰則対象となります。
そのため、正当な手続きでの準備が必要です。
トップセラーによるパネルディスカッション

eBayで実績を上げる2名のトップセラーと、eBay広告チームによるパネルディスカッションが行われました。

現場のリアルな声を、以下の5つのテーマに沿って、それぞれの取り組みをご紹介します。
- 広告をどう位置づけるか
- どの商品に広告をかけるか
- 数値指標をどう見るか
- セラーへのアドバイス
回転率・利益率・インプレッションなど、それぞれ異なる指標を軸にしながらも、共通しているのは「広告は使わない選択肢がない」という運営方針です。
広告をどう位置づけるか

どの商品に広告をかけるか

数値指標をどう見るか

セラーへのアドバイス

質疑応答では、ブランド品の仕入れが海外からの輸入品ではなく、国内の中古品市場からの仕入れであることが語られました。
また、型番検索で見つかりやすい商材であっても広告を活用する理由についても具体的な説明があり、参加者にとって実践的な学びの多いディスカッションとなっています
まとめ|セラーミートアップで学ぶ「EU関税改定・CPSC義務化・広告活用」

今回は、eBayセラーミートアップで取り上げられた「EUの関税制度改定」「米国CPSC適合証明の義務化」「eBay広告活用」についてご紹介しました。
- EU向けは150ユーロ以下の貨物にHSコードごと3ユーロの一律関税が課され、DDP・HSコード入力が必須
- SPeed PAKエコノミーは2026年第3四半期にEU27か国へ拡大予定
- 米国向け子供用製品はCPSC適合書類の提出が義務化
- 7月20日以降はCPaSS登録による自動適用に移行するため、対象確認と書類準備を早めに進める必要がある
- 広告は目的や商材特性に合わせて、ポートフォリオ全体で戦略的に活用することが成果につながる
制度変更が相次ぐ中でも、正しい情報をもとに早めの準備と戦略的な運用を行うことが、これからのeBay販売において重要なポイントとなります。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
「eBayセラーミートアップ 」は毎月実施されているので、2026年6月に行われたセミナーも併せてご覧ください。

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菊池 駿(きくち しゅん)
株式会社Awiiin 代表取締役・eBay物販輸出のツールBee運営者
- 芝浦工業大学 数学科 卒業
- 2014~2019年:5年間中学校数学教師として勤務
- 2018年:YouTubeチャンネル「eBayライフを快適に by Bee」開設
※チャンネル登録者数”9,570人”(2025年9月時点) - 2020年:「株式会社Awiiin」設立
- 2024年:「埼玉を代表する企業100選」に選出
- 2025年:サッカーチーム「シュワーボ東京」をスポンサード
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