8月後半から9月にかけて、米国の関税問題と日本郵便の引き受け停止など、激動の期間でした。
今回は、たかぎさんがどのように厳しい状況を乗り越えてきたのかを、リアルな体験談をもとにご紹介します。
■この記事でわかること
- 日本郵便の引き受け停止から始まった混乱の初期対応
- 8月の販売実績とキャッシュフロー
- 「返送祭り」への対応方法
- 今後の販路拡大に向けた新たな施策(eBay magの導入)
急な変化への対応や次の戦略など、初心者やこれからeBayを始めようとしている方に参考になるはずです。
ぜひ、最後までご覧ください。
なお、前回の「たかぎe-log#5」は以下の記事よりご確認ください。

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2025年のたかぎさんの目標

たかぎさんが掲げている2025年の目標は、以下のとおりです。
■運営の仕組み化する
- 外注化を進め、メインアカウントで月利20万円を安定して稼ぎ出す
- 外注・経費・月利(手残り)をわかりやすく視聴者に伝え、再現しやすいモデルケースを作る
■有在庫を強化する
- 新規カメラアカウントをを立ち上げ、運営状況は全部公開する
- カメラアカウント単体で月利30万円を目指す

ここからは、目標に向けて行っている4月の取り組みをご紹介します。
7月・8月後半まで|日本郵便の引き受け停止で状況が一変


7月を振り返ると、課題でもあったカメラのキャッシュフローが、初めて黒字化に成功しています。
在庫もまだあるため、事業開始からの全体キャッシュもようやくプラスに転じる見込みが立ってきました。
また、7月29日にデミニミス撤廃が発表された後、8月に入ってからは比較的穏やかな日々を過ごしていました。
- デミニミスルール撤廃の影響を懸念しつつも、最後の駆け込み需要で7月以上に売上は好調だった
- まだ日本郵便も通常通り稼働しており、今後のポリシー変更などに備える程度だった



しかし、念入りに確認して発送したカメラが壊されて返品されたことがきっかけで、8月後半はカメラアカウントへの意欲が落ちました。


状況が変わったのが8月25日頃で、日本郵便がアメリカ向け荷物の一時引き受け停止を発表しました。
日本郵便の一件を皮切りに、一気に慌ただしくなっていきます。
日本郵便の「アメリカ向け荷物の一時引き受け停止」については、公式ページより詳細をご確認ください。
8月後半|デミニミス撤廃と日本郵便の発表による混乱


8月25日に日本郵便がアメリカ向け荷物の引き受けを停止したことを受け、緊急の対応に追われました。
初期対応とその後の影響については、以下のとおりです。
- 配送方法をクーリエのみに変更
- アメリカ向けの送料を一律で80ドル加算するポリシーを急遽作成
※実質的に販売を停止させた - 関税導入前に、送れる分の荷物を急いで郵便局で発送




- アメリカからの売上は無くなり、8月30日には売上がゼロになった
- メインアカウントのプロモテッドリスティング経由のインプレッションが半減した



8月後半からプロモーテッドリスティングのインプレッションが大幅に落ちたのは、関税の影響なのかちょっと分からないですね。
8月の結果|関税の影響は少なくプラスで終える


8月の前半は駆け込み需要で好調だったものの、関税問題や日本郵便の引き受け停止などがあり、状況が一変した1ヶ月でした。
混乱はありましたが、売上が落ち込む中でも経費削減などで、手元に残る利益は確保できています。
ここからは、8月の全体的な業績とキャッシュフローについてご紹介します。
8月の3アカウント合計の業績


8月の3アカウント合計の業績は、7,374ドルで着地しました。
- 総売上:7,374ドル
- 販売個数:130個
- 利益率::20.76%
- 手元に残った利益:約15万円



売上自体は下がりましたが、利益率の改善や経費削減が功を奏し、手元に残る利益額は7月よりも増えました。
アカウント別の状況は、以下のとおりです。
- メインアカウント
- 回復基調にあり、8月の利益のほぼ大部分を占めるほど好調だった
- サブアカウント
- 8月22日以降、売上がほぼゼロの状態になり、大きく落ち込んだ
- カメラアカウント
- モチベーションの低下からほとんど活動できず、売上は5個(773ドル)だけ
8月前半は駆け込み需要で好調でしたが、後半の関税・配送問題による混乱がそのまま9月へと続く形となりました。
8月のカメラのキャッシュフロー


事業開始からの累計キャッシュフローが、ついに黒字化を達成しました。
■8月のキャッシュフロー内訳
- 売上入金:プラス89,779円 (5台分)
- 仕入れ費用:マイナス27,480円 (2台分)
- 送料:マイナス14,496円 (5台分)
- 返品による返金:いマイナス25,137円 (1台分)
- 月間キャッシュフロー:プラス22,666円
- 累計キャッシュフロー:プラス7,618円 (初の黒字化)



これからは、失敗しない仕入れを心がけることで、安定してプラスのキャッシュフローを維持していくことを目指していきます。
9月前半|関税問題による混乱と今後の対策


9月前半は、デミニミス撤廃や日本郵便のアメリカ向け荷物引き受け停止など、セラー側が対応を求められる出来事が多発しました。
発送済みの荷物が返送されたり、サブアカウントの不調になったりと、まさに踏んだり蹴ったりです。
ここからは、「新たな関税への対応」、「返送問題」、「今後の対策」についてお話します。
新たな関税対応とバイヤーの反応


8月後半から9月序盤にかけて、関税に関連する情報が少しずつ集まってきたことで、対応方針を転換しました。
■送料ポリシーの変更
- 送料を35〜40ドル上乗せすれば、DDP(関税元払い)で発送しても利益が残ると判明
- 8月31日に送料設定を「プラス35ドル」に変更
- 変更後、関税を理解した上で購入してくれるアメリカのバイヤーが数件現れている
特に気を使ったのが、バイヤーが「新たな関税を理解しているか」ということでした。
そのため、オファーを送って来たバイヤーについては、関税について以下のように聞き取りを行っています。





この時はDDUで発送することを想定していたので、関税をバイヤーが支払ってくれないと、セラー支払いになるので「怖いな」と思いました。
ただし、DDPで発送しても、想定外の高額な関税を請求される事例も報告されています。
DDU(バイヤー側が関税を支払う)やDDP(セラー側が関税を支払う)の概要や新しい情報については、以下の記事で詳しく解説しています。


日本郵便の返送祭り


アメリカへの配送が混乱する中で、8月下旬に発送した荷物が大量に返送される「返送祭り」が始まりました。
■送料ポリシーの変更
- eBay上の追跡では動きがなくても、日本郵便のサイトで確認すると「返送」となっているケースが多数
- 自身で発送した分に加え、発送代行に依頼していた分も返送され、対応に追われた



今回の返送で、結構な赤字になるかもしれません。
サブアカウントの現状と今後の対策


関税問題とは別に、サブアカウント自体にも問題を抱えています。
- 出品した商品(ラブブ)が偽造品の疑いで複数取り下げられる
- プロモーテッドリスティングのインプレッションが激減
- 8月22日以降、サブアカウントでは1件も売れていない



関税に加えて、ポリシー違反でもサブアカウントがやばい状況になっています。
状況を改善するためにも、今後は以下の対策にも取り組んでいきます。
■eBay magの設定
- まずは規制の少ないオーストラリア、カナダ、イギリスを対象に設定する
- アメリカ以外の国への販路を拡大していく
■Shopifyの活用
- 自社サイトも作っていく
今後は、コントロールが難しい関税問題に対応するよりも、自分でコントロールできる部分にリソースを集中させる方針です。
eBay magについては、以下の記事でメリットやデメリットなどを詳しく解説しているので、併せてお読みください。


9月中盤|関税問題に揺れた1週間


9月中盤は、引き続き関税問題への対応に追われた。
ただし、不調だったアカウントの売上が回復し始めるなど、少しずつ状況は変わりつつあります。
ここからは、「アカウントの売上」「返送祭りへの対応」「今後の施策」の3つのポイントについて解説します。
アカウントの状況と売上の回復


不調だったサブアカウントは、ポリシー違反ではなく関税問題が原因で売上が落ちていたことが判明しました。
9月に入ってからはサブアカウントも含め、アメリカからの売上が中心となり回復傾向にあります。
- サブアカウントの状況
- 8月22日から売上が止まっていました
- 9月に入ってからアメリカ向けの注文が少しずつ入るようになった
- メインアカウントの状況
- アメリカからの売上がほとんどを占めている
- まとめ買いへの対応
- 10個以上のまとめ買いをしてくれたバイヤーには、DDU(関税荷受人払い)にて発送した
- 関税未払いのリスクを考慮しつつも、損失が出ないよう送料を調整した



9月5日頃、懸念されていたトランプ関税が一律15%に決定したという情報が入ったので、市場が安定してくれることを期待します。
関税の最新情報については、以下の記事で解説しています。


日本郵便「返送祭り」が本格化


8月下旬に発送した荷物がアメリカから大量に返送される「返送祭り」が本格化し、対応に追われました。
実際に行った返品対応は、以下のとおりです。
- 返送の本格化
- 7個の荷物が郵便局から返送されてきた
- 発送代行業者からも11個の返送があったとの連絡を受ける
- 返送品への対応
- 赤字覚悟での再送するか、バイヤーにキャンセルしてもらうかを交渉する
- 送料の返金手続き
- 郵便局にて返送された7個分の送料返金手続きを行う
- 返金は約2週間後に指定の銀行口座に振り込まれる



返金対応は小さな郵便局だとあまり融通が利かないので、大きな郵便局で対応してもらった方が良さそうですね。
eBay magを本格的に導入


アメリカ市場の不安定さを受け、他の国への販路拡大と自社サイト構築に向けた具体的な準備を開始しました。
気が重くてeBay magの導入をためらっていたのですが、設定自体は簡単でした。
eBay magの設定の流れは、以下のとおりです。
■送料ポリシーの変更
- eBay magの登録とアカウント連携を9月9日に開始(サブアカウント以外)
- 関税問題の影響で利用者が急増しているのか、サーバーが混み合っており、連携完了まで10日かかった
- 現在は、カナダ、イギリス、オーストラリアのサイトを追加
- 商品情報が反映されるのを待っている状態



もし、eBay magを導入しようか迷っている人は、私と同じように連携だけでも行った方が良いかもしれません。
まとめ|関税問題による混乱を乗り越え、販路拡大へ


8月後半から9月中旬にかけて、関税問題や日本郵便の引き受け停止など、めまぐるしく環境が変わりました。
■8月の結果
- 関税問題の影響で総売上は減少したものの、経費削減などにより、手残りの利益は前月より増加した
- カメラ事業が、事業開始から初の累計キャッシュフロー黒字化を達成した
- サブアカウントが8月後半から不調に陥り、売上がほぼゼロになった
■8月後半~9月中盤の主な取り組みと出来事
- 関税問題への対応:8月後半、日本郵便の発表を機に緊急で送料ポリシーを変更
- 返送祭りへの対応:バイヤーとの交渉や郵便局での返金手続きを行った
- 販路拡大への着手:eBay mgaの導入を開始し、カナダ・イギリス・オーストラリアへ販路拡大
■今後の目標
- 引き続きeBay magやShopifyの準備を進め、アメリカ以外の売上を伸ばす
- 関税問題に関する最新情報を収集し、DDUやDDP発送の最適解を見つけていく



関税問題のように外部環境は常に変化しているので、最新情報を収集し、すぐに対応できるよう準備しておくことが重要ですね。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
なお、たかぎさんの「elogセカンドシーズン」の過去回をご覧になりたい方は、以下の記事よりご確認ください。
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菊池 駿(きくち しゅん)
株式会社Awiiin 代表取締役・eBay物販輸出のツールBee運営者
- 芝浦工業大学 数学科 卒業
- 2014~2019年:5年間中学校数学教師として勤務
- 2018年:YouTubeチャンネル「eBayから始めよう by Awiiin」開設
※チャンネル登録者数”9,570人”(2025年9月時点) - 2020年:「株式会社Awiiin」設立
- 2024年:「埼玉を代表する企業100選」に選出