
EU向けにeBayで商品を販売する際、GPSR・LUCID・VAT/IOSSなど、複数の登録・制度への対応が必要です。
すでにドイツでは、eBayに対して規制品の管理強化、ベルギーでは未登録セラーの商品が非表示の事例も出ています。
今後はフランスやスペインなど他の国でも、同様の規制強化が段階的に進む可能性が高いです。
何の準備もなしにEU向け販売を続けると、商品の非表示化・罰則の対象・返送トラブルにつながる可能性もあります。
- 初心者は販売するジャンル選びが重要
- eBayが展開するEU各国サイト
- ドイツの規制強化とVAT・IOSS対応の必要性
- GPSR(EU一般製品安全規則)とEU域内責任者の考え方
- EPR(拡大生産者責任)とドイツ・フランスの登録制度
- EU規制に関する質問
菊池EU向けに発送しているすべてのセラーに関係する内容です。
まずはこの記事を読んで、自分のビジネスへの影響を確認してみてください。
※今回ご紹介する内容は、コミュニティ内での対談をもとにしており、詳細は各国の公式情報・eBay公式ページもあわせてご確認ください。
なお、当ブログではeBay運営をサポートする記事を毎週アップしているので、併せてご覧いただけると幸いです


初心者は販売するジャンル選びが重要


EU向けに販売を始める際、まず重要になるのが「どの商品カテゴリーを扱うか」です。
同じEU圏内でも、ジャンルによって必要な手続きが異なるため、初心者は売りやすいジャンルから始めることをおすすめします。
初心者に始めやすいジャンルと難しいジャンルの主な商品は、以下のとおりです。
| 難易度 | 商品カテゴリー例 | 理由 |
|---|---|---|
| 易しい | トレカ、書籍、ゲームソフト など | 証明書や特別な登録が不要で始めやすい |
| 難しい | 玩具、電気製品、食品 など | 証明書の取得や追加の税・登録費用が発生しやすい |



食品や電子機器は、専用の証明書が必要になったり、追加の税負担が生じたりするケースがあるため、初心者のうちは避けたほうが無難です。
まずはハードルの低いジャンルで実績を積み、慣れてきた段階でカテゴリーを広げていくのが安全です。
eBayが展開するEU各国サイト


eBayはEU圏内で数多くの国別サイトを展開しています。
代表的なものは、以下のとおりです。
- eBayドイツ
- eBayフランス
- eBayイタリア
- eBayスペイン
- eBayオーストリア
- eBayベルギー
- eBayアイルランド
- eBayオランダ
- eBayポーランド
- eBayポルトガル



EU圏外ではイギリス、EU圏内ではドイツ・フランス・イタリア・スペインの4カ国で商品がよく売れています。
まずは、代表的な国を意識した販売戦略が効果的といえそうです。
ドイツの規制強化とVAT・IOSS対応の必要性


ドイツからeBayに対して規制品や環境法(LUCIDなど)の遵守状況について指摘が入り、今後ドイツ向け販売はより厳格な対応が求められる可能性があります。
また、VAT・IOSSについては2025年7月以降、150ユーロ以下の商品について、以下の対応が必要になります。
| 発送手段 | 対応状況 |
|---|---|
| 日本郵便 | IOSS対象8カ国向けは発送不可 |
| DHL・FedEx | DDP発送であれば送付可能 |
※VAT…日本でいう消費税のこと
※IOSS…EUへ150ユーロ以下の商品を輸出する際、VATを簡単に徴収・納税するための制度



ただし、現時点でEU向けの商品の取り扱いが少ないのであれば、焦らないことも重要です。
対象国からの注文が入ったら、購入者へ事前に送料負担の可否を確認し、対応できない場合はキャンセルを提案する運用が現実的な対処法といえます。
GPSR(EU一般製品安全規則)とEU域内責任者の考え方


GPSRとは、EU域内で製品の安全性を担保するために「域内責任者(連絡窓口)」の情報表示を求める規則です。
対応方法は主に以下の2パターンに分かれます。


セラーが取るべき対応は、以下のとおりです。
- GPSRの対象外商品ではないか確認する
- 2024年12月13日以前のEU流通歴を確認する
- ブランドやメーカーのEU責任者情報を探す
- 確認できなければ有料代行を利用するかEU販売を除外する
現状は多くのセラーが厳密な登録なしで販売できているのが実情です。



しかし、ベルギーでは登録未対応のセラーの商品がeBay側から一律非表示にされる事例も出ています。
今後はドイツ・フランス・スペインなど他の国でも、同様に各国政府からeBayへ管理強化の要請が入り、規制が段階的に厳しくなる可能性が高いです。



とりあえず、セラーとしてはドイツやフランス、スペインなどのように売上が見込める国から優先して規制対応した方が良さそうですね。
EPR(拡大生産者責任)とドイツ・フランスの登録制度


EPRとは、商品を梱包する段ボールなどの廃棄処理費用を、販売者側があらかじめ負担する仕組みです。
国ごとに制度名や登録先が異なり、対象カテゴリーによって必要な登録も変わります。
代表的な国として、ドイツとフランスを例にあげます。
- ドイツ
- 梱包材の登録→LUCID
- 電気製品の登録→WEEE
- 電池の登録→BattG(2026年8月12日から本格適用、ゲームなど電池内蔵品も対象)
- フランス
- 梱包材の登録→放送法(UIN登録)
トレカや電子機器・電池を使わない一般商品の場合、ドイツはLUCID、フランスはUINのみの登録で対応可能です。
一方、電子機器や電池を扱う場合はWEEE・BattGが必要になり、登録費用は年間800ユーロ前後になります。
各国の登録先や対象製品、費用目安については以下を参考にしてください。


ドイツとフランスで登録する場合、年間86ユーロ程度に収まります。



比較的費用が安い国の制度を選択し、最安ルートで登録・販売していくのがおすすめだと思います。
EU規制に関する質問


ここからは、コミュニティメンバーが疑問に持っているEU規制についてのQ&Aです。
Q1.未登録で発送していた場合、罰則の対象になりますか?


罰則規定自体はありますが、個人セラー規模でいきなり適用される可能性は低いとされています。
EU関連法規の違反に対しては罰則が定められており、最大で10万ユーロという罰金額が示されています。
ただし、悪質・大規模な違反を想定したものであり、フランスへの発送が数回程度の個人セラーに対して、いきなり厳しい処罰が科されるケースは考えにくいです。
今後は規制が段階的に強化される可能性があるため、不安がある場合は早めに必要な登録を済ませましょう。
Q2.関税拒否で返送された場合、バイヤー都合として扱われますか?


そもそも150ユーロ以下の貨物はDDP発送が前提となるため、DDUでの発送自体を避けるべきというのが結論です。
トラブルを未然に防ぐためにも、対象となる金額帯の商品はすべてDDP発送に統一してください。
関税分をあらかじめ販売価格や送料に組み込んでおく形で対応するのが望ましいといえます。
まとめ|EU規制の強化は、セラーにとってチャンスになる!


今回は、EU向け販売における各種規制と対応方法について解説しました。
- 商品カテゴリーに必要な登録が変わるため、まずは売りやすいジャンルから始めた方が安全
- ドイツ・フランス・イタリア・スペインを、優先的に対応すべき
- Lucid、UIN、GPSR、VAT/IOSSなど、国ごとに必要な登録・制度を正しく把握することが重要
- 未登録セラーはeBay側から非表示扱いにされ、今後さらに規制が強化される可能性が高い
- 規制強化はきちんと対応しているセラーにとって、出品が目立ちやすくなるチャンスでもある



逆に言えば正しく登録・対応しているセラーの商品が、より多くのバイヤーの目に触れやすくなるということでもあります。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
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菊池 駿(きくち しゅん)
株式会社Awiiin 代表取締役・eBay物販輸出のツールBee運営者
- 芝浦工業大学 数学科 卒業
- 2014~2019年:5年間中学校数学教師として勤務
- 2018年:YouTubeチャンネル「eBayライフを快適に by Bee」開設
※チャンネル登録者数”9,570人”(2025年9月時点) - 2020年:「株式会社Awiiin」設立
- 2024年:「埼玉を代表する企業100選」に選出
- 2025年:サッカーチーム「シュワーボ東京」をスポンサード
- 2025年:KEIDO 経営を極めるメディアに掲載
- 2026年:BigLife CEO Collection2026に選出(2025年に続き連続選出)
- 2026年:eBay Japanに有効ツールとして「Bee」紹介・掲載
- 2026年:ウォール・ストリートジャーナルに掲載
- 2026年:ベクトルパークと業務提携


