2026年7月8日から、アメリカ向けに商品を発送する際のルールが大きく変わります。
CPSC eFiling(電子申告)の義務化により、おもちゃや子ども服、ベビー用品などを扱うセラーは、通関時に製品の安全証明書データを事前に提出することが必要になります。
なんの準備もなしに発送を続けると、通関の遅延・貨物の保留・アカウント制限などに直面する可能性もあります。
菊池アメリカ向けに発送しているすべてのセラーに関係する内容です。
まずはこの記事を読んで、自分のビジネスへの影響を確認してみてください。
※今回ご紹介する内容は、2026年6月28日時点で公表されている情報をもとにしています
CPSC eFilingとは?義務化の背景と基本知識


CPSC eFilingは、2026年7月8日から始まるアメリカ向け輸出の新制度です。
「自分には関係ない」と思っているセラーも、おもちゃ・子ども服・ベビー用品を1つでも扱っていれば、対象になる可能性があります。
この章では、制度の概要と導入される背景について解説します。



3つのポイントを順番に押さえると、自分が対応すべき商品かどうかが判断しやすくなりますよ。
CPSCとはどんな機関?


※画像引用元:アメリカ合衆国 消費者製品安全委員会(CPSC)
CPSCとは、1972年に設立されたアメリカの独立政府機関「米国消費者製品安全委員会(U.S. Consumer Product Safety Commission)」の略称です。
おもちゃや家電、衣類、家具など、数千種類もの消費者製品の安全性を監視・規制しています。
CPSCの主な活動は、以下の5つです。
| 活動内容 | 内容 |
|---|---|
| 製品リコールの実施・監督 | ・危険な製品が流通した際に企業と連携してリコールを発表 ・返金・修理・交換の対応を求める |
| 安全規格の策定 | ・法律で定めた強制規格 ・業界や標準化機関と協力して任意規格の策定も行う |
| 製品事故の調査・データ収集 | ・全米の救急外来からデータを収集する監視システム(NEISS)をもとに事故の傾向を分析 |
| 消費者への情報発信 | ・公式サイトやSNS・メールアラートなどを通じてリコール情報や安全対策の情報を届ける |
| 法律の執行と制裁 | ・安全基準に違反した企業に罰金を科したり、販売禁止などの法的措置を取る |
なお、自動車はNHTSA(道路交通安全局)、食品・医薬品はFDA(食品医薬品局)の管轄で、CPSCの対象外です。
「家の中やその周辺で使われる一般消費者向け製品」と覚えておくと、対象範囲を把握しやすくなります。
eFilingで何が変わるの?従来との違い
eFilingで変わる最大のポイントは、「証明書の提出タイミング」です。
これまでは、安全基準への適合を示す証明書(CPC・GCC)を手元に保管しておき、CBPから求められた際のみ提示する運用が中心でした。
2026年7月8日からは、以下の運用に切り替わります。
| 項目 | 従来の運用 | eFiling義務化後 |
|---|---|---|
| 証明書提出タイミング | CBPから求められた場合のみ | 通関時にリアルタイムで電子申告が必要 |
| 申告先 | 書類を手元に保管 | 米国税関(CBP)の電子システム(ACE)を通じて事前提出 |
| 申告内容 | 証明書の紙面・PDF保管 | 製品情報・試験日・試験機関情報などのデータ提出 |
| 対応が必要な人 | CBPの確認要求を受けた場合のみ | 対象製品を米国へ輸入するすべての輸入者 |



導入の背景には、輸入製品の急増に伴い、安全基準を満たさない不良品が市場に流通するリスクが高まったことがあります。
証明書を手元に保管しているだけでは、事前に内容を検証できないという制度上の課題があったため、今回の義務化が進められました。
今後は証明書データが未提出・不備の場合、通関の遅延・貨物の保留・追加検査・輸入拒否に加え、1件あたり最大約120,500ドルの民事制裁金が科される可能性があります。
いつから始まる?スケジュールと適用範囲
制度の運用が始まるのは、2026年7月8日のアメリカ到着分からです。
CPSCの規定では「米国輸入通関日」が起算日とされているため、7月8日より前に日本を出発した荷物でも、アメリカでの通関申告が7月8日以降であれば対象となります。
配送会社ごとの対応予定は、以下のとおりです。
- Orange Connex:7月3日よりオフライン運用開始、7月15日よりCPaSS上でオンライン対応開始
- FedEx・DHL:各社のガイドラインに基づき輸入者へ情報を案内、申告手続きは輸入者が対応
- 日本郵便(UGX):差出時に証明情報を記載した書類をパウチに封入して提出



なお、eFilingの申告義務はあくまで輸入者(Importer of Record)にあり、各配送会社は情報提供・システム連携のサポートを行います。
また、CPSCでは「当面は申告が欠如していても入国拒否はせず、警告メッセージのみ」と表明しています。
申告状況はCPSCのリスク評価に影響し、リスクが高いと判断された輸入者・貨物は今後の通関で検査対象となりやすくなるため、早めの対応が重要です。
【最重要】個人eBayセラーの対応は「免除を通すか・止めるか」の2択


子ども向け製品の証明書(CPC)は、CPSC認定ラボでの試験が法律上必須で、個人セラーが自力で取得するのはほぼ現実的ではありません。
※検査費用は数万〜数十万円+破壊検査(中古1点物だと、検査に商品を使うためなくなってしまいます)
未対応のまま発送を続けると、以下のリスクが生じます。
- 出品している商品が、米国バイヤーから見られなくなる
- 発送した商品が税関でストップし、返送・廃棄・罰金の費用はセラー負担になる
- 最悪の場合、アカウント制限の対象になる



そのため、個人セラーの対応は実質2択です。
「①免除を正しく通す」か「②米国向けを止める」か、以下のSTEPを上から順に確認してください。
STEP1|出品を仕分ける(今すぐ・無料)
まずは自分の出品商品を、以下の3つに仕分けることから始めてください。
| 商品の種類 | 対応方針 |
|---|---|
| 中古カメラ・時計・ゲーム機・釣具・オーディオ等 | そもそも対象外、対応は不要 |
| フィギュア・トレカ・アニメグッズ・ヴィンテージ玩具 | 「免除」を通せる可能性が高い |
| 12歳以下向け商品(新品玩具・ぬいぐるみ・子ども服・ベビー用品) | 原則「米国向け停止」の候補 |
対象かどうかは、CPSCが提供するRegulatory Robot「https://business.cpsc.gov/robot/」で確認できます。



質問に答えるだけで、適用される規制要件を自動でリストアップしてくれます。
対象HTSコード一覧は「https://business.cpsc.gov/robot/」から確認してください。
なお、ぬいぐるみは新品・中古を問わず対象となるため、特に注意が必要です。
STEP2|Item specificsを整備して「免除」を通す
個人セラーの商品の大半は、Item specificsを正しく整備することで守れます。
免除の判定は入力値で自動処理されるため、空欄のまま放置すると「対象扱い→非表示」に直結します。
免除になる主な条件は、以下のとおりです。
| 商品の種類 | 免除条件 |
|---|---|
| 玩具・フィギュア | ビンテージ品・アンティーク品・13歳以上対象(コレクター向け) |
| 中古の成人向け製品 | カメラ・時計・大人服など中古品全般 |
| 成人アパレル | ポリエステル・ナイロン・ウール等の指定素材、または生地重量2.6 oz/yd²以上の指定生地 |
入力が必要なフィールドは、商品カテゴリによって異なります。
- 玩具系:Condition・Age Level(コレクター品は「14+」等)・Vintage/Antiqueフラグ
- アパレル系:Condition・Material・Fabric Type・Fabric Weight



タイトルや説明文にも「Adult Collectible / 14+」を明記し、カテゴリも実態と整合させる必要があります。
新品をUsedと偽ったり、明らかな子ども向け現行品を「14+」と記載したりするのは虚偽申告です。
通関停止・罰則・アカウント措置のリスクがあるため、免除は実態が伴う商品だけに適用してください。
STEP3|免除を通せない「12歳以下向け」は米国向けを止める
CPCは書類自体は自作できますが、根拠となる検査は「CPSC認定の第三者ラボ」での実施が法律上必須です。
個人が1商品ごとに試験を依頼するのは、費用面でも物理的にも現実的ではありません。
「中古だからCPC不要」と思っている方も注意が必要です。
中古で免除になるのは成人向け製品だけであり、子ども向け製品で免除が認められるのは以下の3つに限られます。
- ビンテージ品(おおむね製造から20年以上経過したもの)
- アンティーク品
- 13歳以上対象として販売されているコレクター向け製品



上記のいずれにも該当しない近年製造の子ども向け量販玩具や、子ども服は中古であっても免除の対象になりません。
対応としては、「米国除外」のShipping Policyを1つ作成し、該当商品にまとめて適用してください。
出品自体を削除する必要はなく、米国向け配送だけを除外する設定で対応できます。
米国以外(オーストラリア・欧州・アジア等)への販売は従来どおり続けられます。
STEP4|個人でも自作できる証明書「GCC」の作り方
GCC(General Certificate of Conformity:一般適合証明書)は、メーカーや自社の試験データをもとに自作できるため、個人セラーでも対応が可能です。
GCCが必要になるのは「新品の成人向け規制対象品」に限られます。
中古の成人向け製品は免除、対象外商品はそもそも不要です。
主な対象例は、免除素材でない薄手アパレル・新品ストール・新品ラグ・布団・自転車ヘルメット等です。
GCCに記載する必須7項目は、以下のとおりです。
| 項目 | 記載内容 |
|---|---|
| Product Identification | 製品名・モデル番号・SKUなど |
| CPSC Safety Rules | 準拠する規制コード(例:16 CFR Part 1610) |
| Importer / Manufacturer Info | 証明書を発行する米国輸入者または製造者の情報 |
| Contact Information | 試験結果を保管している担当者の連絡先 |
| Date & Place of Manufacture | 製造年月と製造された都市・国 |
| Date & Place of Testing | 試験が実施された日付と場所 |
| Third-Party Lab Info | (CPCの場合のみ)CPSC認定ラボの名称・住所 |



GCCを作成する際は、特に決まった様式はないので、日本の住所での記載でも問題ありません。
根拠となる試験記録は最低5年間保管してください。
STEP5|発送時の申告手順を確認する


発送方法によって申告手順が異なるので、事前に自分が使う配送会社の手順を確認しておきましょう。
- 7月14日まで:対象品判定メール受信後、CPaSSで毎回手動入力
※過渡期のため、対象品の発送は特に慎重に対応する - 7月15日から:SpeedPAK Settingの「CPSC Doc」で事前登録・再利用が可能、SKUプリセットで免除申告に対応
未入力の場合は「Invalid CPSC Declaration」として追跡番号が発行されません。
- 日本郵便(UGX):送り状の備考欄に「See Attached PGA Message Set」と記入し、証明情報を記載したA4書類をパウチに封入して提出
- FedEx・DHL等:各社の手順に従い証明データを提出
対象かどうかの判断は配送会社が代行するものではありません。
セラーもしくは輸入者自身の責任で確認する必要があります。
STEP6|見落とし防止チェックリスト
対応漏れを防ぐために、以下の項目を確認してください。
- 基準は発送日ではなく「米国到着日」のため、7月8日以降に到着する注文は今すぐ対応する
- eBayからのCPSC警告メールを確認し、Seller Hubで非表示になっている出品を定期チェックする
- リコール対象品は販売・輸入が禁止のため、中古玩具・ベビー用品は仕入れ時にCPSCリコール情報を確認する
あわせて、カテゴリ別のItem specifics入力ポイントも確認しておきましょう。
免除判定は入力値で自動処理されるため、各項目を正確に入力することが対応のポイントになります。
①フィギュア・ソフビ・ホビー(コレクター向け)
| 商品の種類 | 入力内容 |
|---|---|
| Age Level | 「14+」「17 Years & Up」等の13歳以上の値を選択(最重要) |
| Condition | New・Usedを実態どおりに入力する |
| タイトル・説明文 | 「Adult Collectible」を明記し、Collectibles系カテゴリを選択する |
②ヴィンテージ玩具(昭和〜90年代)
| 商品の種類 | 入力内容 |
|---|---|
| Vintage | 「Yes」を選択(免除根拠になる) |
| Year Manufactured | 製造年代がわかれば記入する |
| Condition | Usedを選択する |
③ぬいぐるみ(新品・中古とも規制対象)
| 商品の種類 | 入力内容 |
|---|---|
| Age Level | コレクター向けなら「14+」を選択する |
| Vintage | 古いものは「Yes」を選択する |
| Character/Brand/Condition | 実態どおりに正確に入力する |
④トレカ・カードゲーム
| 商品の種類 | 入力内容 |
|---|---|
| Age Level | 13歳以上の値を選択し、コレクター向けであることを明示する |
| Condition/Graded情報 | 実態どおりに正確に入力する |
⑤ 成人アパレル
| 商品の種類 | 入力内容 |
|---|---|
| Material | Polyester等の免除素材は必ず正確な標準値で入力する |
| Fabric Type | ニット・ツイル等、免除リストと一致する表記で入力する |
| Fabric Weight | 2.6 oz/yd²以上かどうかが免除の分かれ目になる |
| Department | Men/Womenを選択し、大人向けと明確にする(Boys/Girlsは子ども向け判定になる) |
| Condition | New with tags/Pre-owned等を実態どおりに入力する |
⑥ 子ども服・ベビー用品
免除ルートがないため、新品・中古を問わず原則として米国向け販売を停止してください。
出品を残す場合も、Condition・Size・対象年齢は正確に入力する必要があります。
実態と異なる入力は虚偽申告になるため、絶対に避けてください。
⑦ 中古カメラ・時計・ゲーム機・オーディオ等
そもそもCPSC規制の対象外のため、特別な対応は不要です。
Conditionを実態どおりに正確に入力するだけで問題ありません。
eBay運用におけるCPSC未対応時のデメリットと対策


必要なCPC・GCC情報が揃っていないリスティングは、米国バイヤーから非表示になります。
また、準備が整っていない状態で発送を続けると、以下のデメリットが発生します。
- 米国向けリスティングが非表示になる、または米国向け発送がブロックされる
- 配送会社による発送拒否、通関での貨物保留が発生する
- データ不備が続くとアカウント制限が発生する



デメリットを避けるための対策の中心は、Item specificsの整備です。
特に、以下の項目が最重要になります。


Item specificsの入力漏れや誤入力が、非表示・ブロック・アカウント制限の直接的な原因になります。
自分の出品リストを今すぐ見直し、各項目を正確に整備してください。
SPeed PAK(CPaSS)の運用について


SpeedPAK(Orange Connex)を利用している場合、CPaSSでの対応手順は時期によって異なります。
| 時期 | 運用内容 |
|---|---|
| 7月3日〜7月14日 | オフライン運用開始。対象品判定メール受信後、CPaSSで毎回手動入力が必要 |
| 7月15日以降 | CPaSS上の「CPSC Doc」で証明書(COC)を事前登録・再利用が可能になる |



7月15日以降の本格運用に備えて、事前に自分の出品商品がどのカテゴリーに該当するかを整理しておけば、登録作業がスムーズに行きます。
立場別(eBay・CPaSS・自己発送)の対応方法


発送方法や利用しているプラットフォームによって、必要な対応が違います。
自分の状況に合った対応方法を確認してください。
- Item specificsを整備し、Age Level・Condition・Vintage等を正確に入力する
- 証明書(CPC・GCC)が必要な商品は、リスティング作成・更新時に安全情報を追加する
- 証明書の準備が難しい商品は、Shipping Policyで米国を除外し、アメリカ向け発送をブロックする
- eBayからのCPSC通知メールを定期的に確認し、非表示になっている出品をチェックする
- 7月15日までメール経由で毎回手動入力が必要
- 7月15日以降CPaSS上の「CPSC Doc」で証明書を事前登録・再利用が可能になる
- 各配送会社の手順に従い、証明情報を事前に提出する
- 自作したCPC・GCCの内容を証明情報として添付し、発送時に提出する
- 日本郵便(UGX)の場合は、送り状の備考欄に「See Attached PGA Message Set」と記入し、A4書類をパウチに封入して提出する



いずれの方法でも、証明情報の提出漏れや不備があると通関の遅延・貨物の保留・追加検査の対象となる可能性があります。
発送前に証明書と試験報告書が揃っているかを必ず確認してから手続きを進めてください。
対象商品と必要な証明書(CPC・GCC)の違い


対象商品と必要な証明書の種類は、扱う商品の内容によって異なります。
子ども向けおもちゃやアパレルを、1品でも出品していれば対象になる場合があります。
まずは商品カテゴリーと証明書の基本から整理しましょう。



事前に情報を把握しておけば、自分が準備すべき証明書の種類が判断しやすくなります。
どんな商品が対象?チェックリストで確認
どんな商品が対象かは、CPSCが定める安全基準(強制規格)が適用されているかどうかで判断します。
「完成品として一般消費者が使用できる製品」が対象であり、部品や原材料のみの場合は対象外です。
日本人セラーが扱う商品で対象になりやすいカテゴリーは、以下のとおりです。
| カテゴリー | 主な対象商品 |
|---|---|
| 子ども向け製品 | おもちゃ・ぬいぐるみ・ソフビ・知育玩具・トミカ・プラレール・たまごっち、子ども向けとして販売・表示されているもの |
| ベビー・幼児用品 | ベビーカー・ベビーベッド・ハイチェア・抱っこ紐・おしゃぶり |
| 子ども服・寝具 | 子ども用衣類・子ども用寝間着・マットレス |
| 家電・電気製品 | 充電器・小型家電・バッテリー駆動機器 |
| レクリエーション用品 | 自転車・ヘルメット・アウトドア用品 |



一方で、すべてのフィギュアやトレーディングカードが対象になるわけではありません。
大人向けコレクターアイテムとして販売されている製品は、「大人向け」と判断される場合があります。
商品の実態・販売対象・パッケージ表記の3点が判断基準になります。
CPC(子ども向け製品)とGCC(一般製品)の違い


CPCとGCCは、対象となる商品の種類と、求められる試験の厳格さが異なります。
CPCとGCCの主な違いは、以下のとおりです。
| 項目 | CPC | GCC |
|---|---|---|
| 正式名称 | Children’s Product Certificate(子ども向け製品準拠宣言書) | General Certificate of Conformity(一般適合証明書) |
| 対象 | 12歳以下を対象とした製品 | 一般消費者向けの規制対象製品 |
| 試験機関 | CPSC認定の第三者試験機関での受験が必須 | 自社試験やメーカーのデータなど「合理的な根拠」でも可 |
| 主な対象商品 | おもちゃ・子ども服・ベビー用品・子ども向け家具など | 家具などアパレル・ヘルメット・マットレス・充電器など |
| 発行者 | 米国輸入者または米国内製造者 | 米国輸入者または米国内製造者 |
どちらも「自分で作成する書類」で決まった用紙はありませんが、法律(16 CFR Part 1110)で定められた7つの必須項目を英語で記載する必要があります。
また、書類の根拠となる試験報告書を手元に保管しておかなければ、税関から確認を求められた際に対応できません。
対象か迷ったらCPSC Regulatory Robotで確認
対象か迷ったときは、CPSCが無料で提供している公式ツール「Regulatory Robot(レギュラトリー・ロボット)」を使って確認しましょう。
質問に答えていく形式で、商品に適用される可能性のある規制要件(強制規格・任意規格・試験・認証・表示要件など)をまとめたカスタムレポートを生成できます。


※画像引用元:アメリカ合衆国 消費者製品安全委員会(CPSC)
なお、このツールはあくまでガイダンス目的の提供であり、法的アドバイスではないことに注意してください。
Regulatory Robotの使い方の手順は、以下のとおりです。
- CPSC Regulatory Robot(https://business.cpsc.gov/robot/)にアクセスする
- 自分の記録用のレポートタイトル(任意)を入力し、利用規約に同意して進む
- 商品カテゴリ・対象年齢・素材・電源使用の有無などの質問にYes/Noや選択肢形式で回答する
- 最後に表示されるレポートで、適用される規制コード(16 CFR 〇〇)や要件を確認する



サイトは日本語未対応のため、Chromeのブラウザ翻訳などを活用しながら進めるとスムーズにご利用いただけます。
実際の証明書作成には、別途、試験の実施や試験報告書の取得が必要です。
証明書が準備できない場合の対応方法


今回の制度はまだ始まっていないため、実際の運用が始まる7月8日以降でないと分からない部分もあります。
現時点で、子ども向け玩具、ベビー用品、子ども服、その他CPSC対象となる可能性がある商品を販売している場合は、以下の対策を検討してみましょう。
- 出品商品を見直し、対象製品に該当するかをCPSCのRegulatory Robotで確認する
- 証明書(CPC・GCC)の準備が間に合わない場合、アメリカ向けの販売を一時停止することも検討する



無理に発送を続けるより、現時点ではリスクを抑える方が無難かもしれませんね。
日本人セラーが扱う商品でいうと、次のような商品は一度確認しておくことをおすすめします。
※なお、以下は「確認が必要な可能性がある商品」の例であり、すべてが対象と断定されるものではありません
- ぬいぐるみ
- 子ども向けフィギュア・キャラクター玩具
- ソフトビニール製フィギュア(ソフビ)
※子ども向けとして販売されているもの - トミカ・プラレール
※子ども向けとして販売・表示されているシリーズ - シルバニアファミリー
- リカちゃん
- たまごっち
※対象年齢・シリーズによって異なる場合あり - ポケモンやディズニーなどの子ども向けおもちゃ
- 子ども向けとして販売・表示されているボードゲーム
※伝統的なチェス・チェッカーなどは一般製品として扱われる場合あり
また、おもちゃ以外の商品にも注意が必要です。
- 子ども用家具(ベビーベッド・ハイチェアなど)
- 電子玩具・子ども向け電気用品
- 子ども用ヘルメット
- ベビーカー
証明書の準備が難しい商品は、義務化開始後に通関拒否・貨物保留・制裁金の法的リスクが生じる可能性があります。
対応が整うまでの間は、対象商品のアメリカ向け販売を一時停止するなど、慎重に判断することをおすすめします。
証明書が準備できる場合の対応方法


証明書が準備できる場合は、通関時にスムーズに申告できるよう、事前に情報を整理しておく必要があります。
eFilingの申告方法は2種類あり、同じ商品を繰り返し輸入するかどうかによって、適した方法が異なります。
| 申告方法 | 適用されるケース | 必要な情報 |
|---|---|---|
| Full PGA Message Set(フル申告) | 不定期・少量・初回の輸入など、同一商品を繰り返し輸入しない場合 | ・完成品の識別情報 ・適用CPSC規則の引用コード ・製造日 ・製造場所・製造者の名前・住所・連絡先 ・最新試験日 ・試験施設の名前・住所・連絡先 ・記録保管担当者の連絡先 |
| Reference PGA Message Set(参照申告) | 同一商品を定期的・継続的に輸入する場合 | ・Certifier ID ・Product ID ・Version ID |
対象商品を定期的に輸入(日本側から見れば輸出)する場合は、あらかじめCPSC Product Registryに製品を登録しておくと、毎回の申告時に必要な情報が減り、通関手続きが簡略化されます。
一方、不定期または1度だけ輸入(日本側から見れば輸出)する場合は、Full PGA Message Setで必要事項を都度入力する方法が現実的です。



いずれの方法でも、申告内容の不備があると通関の遅延・貨物の保留・追加検査の対象となる可能性はあります。
証明書と試験報告書は常にセットで保管し、求められた際にすぐ提出できる状態を維持してください。
まとめ|事前の準備があなたのストアを守ります!


今回は、CPSC eFilingの概要から対象商品・必要な証明書の種類・対応手順までを解説しました。
- 2026年7月8日から、対象製品をアメリカへ発送する際に電子申告が義務化される
- おもちゃ・子ども服・ベビー用品・アパレルなど、幅広い商品カテゴリーが対象になる
- 子ども向け製品にはCPC、一般消費者向け製品にはGCCの準備が必要
- 対象かどうか迷ったら、CPSC公式ツール「Regulatory Robot」で確認する
- 証明書の根拠となる試験報告書(Test Report)は、まずメーカーへ問い合わせて入手する
- 証明書の準備が難しい商品は、出品の見直しや一時停止も現実的な選択肢になる



まずは出品リストを見直し、対象商品を1つずつ確認するところから始めてみてください。
7月8日以降に明らかになる部分もあるため、各配送会社やCPSC公式サイトの最新情報を引き続き確認しましょう。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
なお、CPSCについては動画でも詳しく解説しているので、併せてご覧ください。
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菊池 駿(きくち しゅん)
株式会社Awiiin 代表取締役・eBay物販輸出のツールBee運営者
- 芝浦工業大学 数学科 卒業
- 2014~2019年:5年間中学校数学教師として勤務
- 2018年:YouTubeチャンネル「eBayライフを快適に by Bee」開設
※チャンネル登録者数”9,570人”(2025年9月時点) - 2020年:「株式会社Awiiin」設立
- 2024年:「埼玉を代表する企業100選」に選出
- 2025年:サッカーチーム「シュワーボ東京」をスポンサード
- 2025年:KEIDO 経営を極めるメディアに掲載
- 2026年:BigLife CEO Collection2026に選出(2025年に続き連続選出)
- 2026年:eBay Japanに有効ツールとして「Bee」紹介・掲載
- 2026年:ウォール・ストリートジャーナルに掲載
- 2026年:ベクトルパークと業務提携



