
2026年7月24日より、これまでの「セクション122」による一律10%の関税が終了。
新たに「セクション301(強制労働調査)」を名目とした12.5%の関税が適用されます。
すでに日本郵便(Zonos経由)では、12.5%が上乗せされた金額での運用が先行してスタートしています。
- セクション122終了とセクション301への切り替えの経緯
- 日本郵便(Zonos)の関税徴収が商品別に変わる仕組み
- HSコードと除外候補の考え方
- トレカ・CD・カメラ、釣具・楽器・自動車部品など、カテゴリー別の関税率
- 時計・金属部品など、特に判定が複雑な商品の注意点
菊池今回ご紹介する内容は2026年7月23日時点の情報にもとづいており、確定情報と異なる場合は随時修正いたします。
詳細はUSITC・CBP・USTRなど各公式情報もあわせてご確認ください。
なお、当ブログではeBay運営をサポートする記事を毎週アップしているので、併せてご覧いただけると幸いです


セクション122の終了とセクション301への切り替え


これまで、トランプ関税は「セクション122」という名目で一律10%が課されていました。
関税が導入される経緯を整理すると、以下のとおりです。
- 2025年8〜9月頃:相互関税(IEEPA関税)としてトランプ関税が開始
- 2026年2月24日:相互関税が違法判定を受け、法律の名目が変更
- 同日から「セクション122」という名目で、150日間の時限措置として一律10%の関税を継続
- この150日間の期限が7月24日に切れ、セクション122は終了



つまり、2026年7月24日はセクション122という関税の「根拠」が失効するタイミングです。
ただし、セクション122が終了するからと言って、関税が0%に戻ることを意味するものではありません。
新たな根拠|セクション301(強制労働調査)
セクション122の終了後、トランプ政権は新たに「セクション301」を名目として関税を継続する方針です。
■セクション301
- 名目:強制労働調査
- 建前
- 他国が安い賃金で労働者を強制的に働かせている
- その結果、アメリカの製品の競争力が損なわれているという主張
- 実態:他国への事実上の「言いがかり」的措置
- 対象:日本製品にも適用される見込み
- 提案されている税率:12.5%



すでに日本郵便のZonosなどでは、セクション301の新関税12.5%が上乗せされた金額での運用が始まっています。
日本郵便の関税徴収が商品別になる


これまで日本郵便(Zonos)では、一律的な関税徴収を行ってきましたが、他の配送サービス(CPaSSなど)と比較すると金額にズレがありました。
今回の変更で、日本郵便も他の配送サービスと足並みを揃える形になります。
今後は一律的な扱いではなく、以下の点を考慮した運用に切り替わります。
- 商品別のHTSコード
- MFNカテゴリー・素材などを個別に判定
以上にもとづいて、税率を適用する運用に変わりました。



なお、CPaSS利用者には影響なく、日本郵便・Zonos利用者に関係する変更になっています。
基本的には以下のように、幅広いカテゴリーで12.5%が上乗せされる形になります。


カテゴリーによっては、これまで以上に重い関税が課せられるので、正確な情報把握がより重要になってきます。
HSコードと除外候補について


HTSコードは通常CPaSSやZonosなど発送キャリア側が判定しますが、判定にズレがある場合もあるため、自分自身でも確認できるようにしておくと安心です。
特に迷いやすいのが、下のような素材で分かれる商品です。
- 靴(アッパー部分の素材など)
- 時計(ケース・ベルトなど部位ごとに素材が異なる)
- 釣具(本体か部品かの区分)



基本は12.5%上乗せですが、正式な関税を確認するには10桁の「HTS US」コードが必要になります。
ここからは、各カテゴリーごとの関税率について解説します。
トレカ・CD・カメラの関税率


同じMFN 0%品目でも、「情報資料」に該当するかどうかで扱いが分かれます。
| 品目 | 情報資料判定 | 参考HTSコード | 税率区分 |
|---|---|---|---|
| ゲーム用トレカ (ポケモン・遊戯王等) | 情報資料ではない | 9504.40.0000 | 12.5%の原則対象候補 |
| スポーツカード (非ゲームカード) | 情報資料の除外候補 | 代表4911.99.6000 | 印刷方法・用途で分類 |
| 音楽CD (記録済み・音声のみ) | 情報資料の除外候補 | 8523.49.3000 | 0%になる可能性あり ※空のCD-Rは別 |
| デジタルカメラ本体 | 情報資料ではない | 8525.89.4000 | 12.5%の原則対象候補 ※部品・レンズは対象外 |



「紙・カード・CD・カメラ」という商品名だけでは判定できず、実際の分類によって税率が変わります。
基本は12.5%としつつ、除外候補に該当する場合は0%の可能性もあるため、誤徴収があれば請求を検討しましょう。
基本0%でも原産国次第で追加関税


MFN 0%の品目でも、原産国が中国の場合は追加関税の対象になることがあります。
対象になり得る代表的な品目は、以下のとおりです。
- 印刷カード(4911.99.8000)
- デジタルカメラ(8525.89.4000)
- ゲーム機本体(9504.50.0000)
例えば、中国原産の4911.99.8000は、Chapter 99(9903.88.03)で追加25%の対象になる可能性があります。
商品価格100ドルの場合は、基本関税$0でも追加対象なら$25の課税となるため注意が必要です。
素材だけで9%→32%まで関税が変わる


同じ商品カテゴリーでも、素材によって税率が9%から32%程度まで大きく変動します。
関税計算がかなり複雑になるので、以下のポイントに注意してください。
- 10桁のHTSUSコードで正確に判定されているか
- 私たち自身の目でもチェックする姿勢



特にeBayのタイトルや商品アイテムスペシフィクスなど、正しい情報を記載しておくことが重要になります。
釣具・楽器・自動車部品も条件で関税が変わる


釣具や楽器などもMFN関税(元々のカテゴリー別関税)がベースとなり、12.5%が上乗せされる形です。
ただし、条件によって基本税率が細かく分かれます。
- 釣り竿(9507.10.0040):6%(竿本体と部品は末尾コードが別)
- 釣りリール(9507.30.6000):一般3.9%(1個$8.45超、JP特別税率はFree)
- 非電気ギター(9202.90.2000/4000):4.5%/8.7%(ケース除外価格$100以下/超)
- 自動車ブレーキ部品(8708.30.50xx):2.5%(車種・ドラム/ローター/ライニングで区分)
なお、HTSのJP特別税率と日本郵便・Zonosの実際の計算税率が、必ずしも同じとは限らない点にも注意が必要です。
時計・金属部品は”素材別税率表”だけでは足りない


時計は「販売価格×1税率」では計算できず、部品ごとに価額按分が必要です。


また、自動車・金属部品はセクション232が別途関わり、通常のHTS税率に自動車・部品の追加関税、鉄鋼・アルミ・銅の追加関税が重なります。



完成品全体ではなく対象金属部分の価額・重量・原産国が問われる場合があります。
そのため、金属の種類・価額・重量・製造原産国・10桁HTSUSの保存が必要です。
まとめ|トランプ新関税は正しい情報記載で守れる部分もある


今回は、2026年7月24日から始まるトランプ新関税(セクション301)について解説しました。
- HTSUSコード(10桁)を意識した正しい商品情報・タイトル記載が非常に重要
- 情報資料除外候補など、本来関税取られないジャンルもある
- Zonosも商品別に細かく判定するようになり、今までの一律運用から変化
- 広く見れば12.5%上乗せという認識でおおむね問題ない
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
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菊池 駿(きくち しゅん)
株式会社Awiiin 代表取締役・eBay物販輸出のツールBee運営者
- 芝浦工業大学 数学科 卒業
- 2014~2019年:5年間中学校数学教師として勤務
- 2018年:YouTubeチャンネル「eBayライフを快適に by Bee」開設
※チャンネル登録者数”9,570人”(2025年9月時点) - 2020年:「株式会社Awiiin」設立
- 2024年:「埼玉を代表する企業100選」に選出
- 2025年:サッカーチーム「シュワーボ東京」をスポンサード
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- 2026年:eBay Japanに有効ツールとして「Bee」紹介・掲載
- 2026年:ウォール・ストリートジャーナルに掲載
- 2026年:ベクトルパークと業務提携


