海外に生活拠点を移した場合、日本で行ってきたeBay輸出は続けられるのだろうか?
結論から言うと、出国前に十分な準備をしておけば、海外からでも問題なくeBayの運営を続けられます。
この記事では、筆者がオーストラリアで実践したeBayでの経験についてご紹介します。

これから海外で生活しながらeBayを続けたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
海外からでもeBayで商品を販売できるの?


日本を出国する前に適切な設定と準備を済ませておけば、海外からでもeBayの利用は可能です。
私もオーストラリア渡航時に、普段と違うIPアドレスからのアクセスすることになるので、アカウントが制限されないか最初は不安でした。
ただし、事前に対策を取っていたためトラブルなく活動できました。
この章では、海外でもeBayを行いたい方に向けて、以下の点について解説します。



オーストラリアでのワーキングホリデーで、実際に行ったことや注意点をまとめたので、これから海外で生活する方には参考になると思います。
海外からのアクセスは事前申告でリスクを回避する
私の場合、eBayへ海外での滞在予定を出国前に申告していたので、アカウント制限のリスクを回避できました。
なぜなら、普段と異なるIPアドレスからのアクセスは、システムに不正アクセスと誤認される可能性があるためです。
事前にeBayに行った英語での申告内容は、以下のとおりです。
■申告内容
私は◯月◯日からオーストラリアに滞在予定です。eBayでの販売活動は継続いたします。
発送等の業務は日本のスタッフが対応しますので問題ありません。
オーストラリアのIPアドレスでeBayに接続することについては事前にご連絡いたします。
また、VPNを使用して日本のIPアドレスでeBayにアクセスする場合がある点もご了承ください。
その他、ご留意すべき事項がございましたらお知らせください。
申告後にeBayのカスタマーセンターから、以下のような回答をもらいました。
■eBayからの回答


■eBayからの回答(抜粋日本語訳)
「VPN(Virtual Private Network)や公共Wi-Fiの利用は、アカウントのセキュリティ上おすすめできません。
第三者によるアクセスリスクが高いため、ログイン時に不正アクセスとして検出される可能性があります。
Two-Factor Authentication(2段階認証)を有効にすると、より安全にアカウントを守ることができます。」



事前申告しておけば、海外でeBayを行うことを伝えるとともに、注意点についても親切に教えてもらえました。
次の章では、eBayから指摘のあったVPNの使用について解説します。
VPNや公共Wi-Fi利用の注意点
eBayのカスタマーサービスからは、「VPNや公共Wi-Fiの利用はセキュリティ上推奨しない」との回答がありました。
第三者による不正アクセスのリスクが高くなり、システムに不審な動きとして検知される可能性があるためです。
VPNや公共Wi-Fi利用の注意点は、以下のとおりです。
■eBayへの接続方法
- VPN:第三者による不正操作とシステムに誤判定される可能性がある
- 公共Wi-Fi:アカウントのセキュリティが脆弱になり、情報漏洩の危険がある
eBayのシステムは、VPN経由のアクセスを不審な動きとして検知し、アカウントを保護するために一時的なログインブロックをかける場合があります。



私の場合、eBayへ直接アクセスするときはVPNを使用しませんでした。
ただし、日本のIPアドレスでしかアクセスできない仕入れサイトの利用時に、限定してVPNを使っていました。
アカウントを安全に保つための設定
アカウントを安全に保つことができれば、安心してeBayの運営に集中できます。
私が実践していたアカウントを守るための対策は、以下のとおりです。
- 公共のWi-Fi環境ではログインしない(日本でも同様です)
- 自宅など信頼できる回線で操作する
- 2段階認証(2FA)を必ず有効にする
- 海外滞在予定がある場合は、事前にeBayへ通知しておく



2段階認証はパスワードが万が一漏洩したとしても、スマートフォンなどの別のデバイスでの承認がなければログインできません。
セキュリティを向上させる設定は、日本国内の利用でも有効なので、常に意識してアカウントを運用しましょう。
もし、アカウントが制限された場合、どのような流れで進むのかをまとめた体験談も掲載しているので、併せてご覧ください。


出国前に準備したeBayの運営体制


私が海外でeBayの運営を続ける上で重要だと感じたのが、出国前に発送業務の外注体制を完成させておくことです。
海外にいると対応できない発送業務などを、事前に外注化する仕組みを作っていたことで、オーストラリアにいながらでもスムーズな運営ができました。
私が出国前に行ったeBayの運営体制作りについて解説します。



現地で準備を始めるのは精神的な負担が大きくなるため、日本にいる間にすべて整えておいて本当に良かったです。
発送業務の外注化は出国前に完了させる
発送業務の外注化は必ず出国前に完了させておくべきだと断言できます。
私の場合、出国前から外注体制を整えていたため、現地での業務は非常にスムーズでした。
実際には、スプレッドシートで在庫情報や注文状況を共有し、以下のように役割を分担しました。
■稲舟(オーストラリアでの担当)
- 顧客とのメッセージ対応を行う
- 在庫や注文状況を全体的に管理する
■外注スタッフ(日本での担当)
- 商品の出品
- 商品を梱包・発送業務の代行



役割分担によって、日本と距離が離れていても連携が取りやすくなり、オーストラリアからでも安心してeBayの運営に専念できました。
安定した運営を支えるバックアップ体制を作る
安定したeBay運営を行うには、バックアップ体制を事前に作っておく必要があります。
特に外注スタッフが1人だけだと、体調不良や休みが重なった場合に、発送業務が完全に停止するからです。
万が一の事態に備えて、以下のようなバックアップ体制を事前に構築していました。
- メインの外注スタッフとは別に、もう1人業務を依頼できるサブのスタッフを確保する
- 誰が対応しても作業が滞らないよう、梱包や発送の手順をマニュアルにまとめた



バックアップ体制のおかげで、メインの担当者が急に動けなくなったときも、サブのスタッフにスムーズに引き継ぐことができました。
1人に業務を依存させずに、誰かがサポートできる仕組みを作っておくと、海外からでも安心して運営に専念できます。
ネットが遅くてもノートパソコンが1台あれば大丈夫


画像引用元:apple
オーストラリアのネット回線は日本よりも驚くほど遅く、現地の人も「ネットが遅い」と話していました。
実際にも、Wi-Fiやスマホ回線が不安定でしたが、eBayの作業自体には問題ありませんでした。
私が海外での作業で心配していた点と実際の作業環境は、以下のとおりです。
■心配していた点
- ネットが遅すぎて作業にならないのではないか
- 外部ディスプレイやキーボードがないと不便ではないか
■実際の作業環境
- MacBook1台で全ての業務に対応できた
- ディスプレイやキーボードがなくても全く支障はなかった



当初は色々と機材をオーストラリアへ持って行こうか迷いましたが、荷物制限で断念して正解でした。
場所を選ばずノートパソコン1台で作業をできるのが、eBay輸出の魅力だと改めて感じています。
商品の返送先を確保する
意外と見落としがちですが、私が事前に準備しておいて良かったと感じたのが、商品の返送先の確保です。
商品が返送された場合、日本国内で確実に荷物を受け取れる住所がなければ、返金対応などが滞ってしまいます。
対策として、日本の実家を発送元として登録し、返送品を受け取れるようにしました。



出国前に、商品の返送フローを確立しておくと良いでしょう。
eBayでは、海外から日本への返品を効率化するサービスも用意されています。
サービスの詳細については、以下の記事を参考にしてください。


為替と時差は意外と気にならない


海外運営で心配される為替や時差ですが、オーストラリアではどちらも大きな問題にはなりませんでした。
収益を現地通貨で活用し、時差も少ないので、スムーズにeBay運営を行えます。
私が実践した為替と時差への対応は、以下のとおりです。
■為替への対応
- eBayで得た米ドル収益を日本円に両替しない
- Payoneerから現地の銀行口座へ直接送金する(USD→AUDで直接送金)
- 現地通貨のまま生活費として活用する
■時差への対応
- 日本の外注スタッフとの連絡時のみ時間帯を意識する
- 開始時間が決まった予定は、時差を考慮して調整する



オーストラリアの時差は1~2時間程度なので、思ったよりも時差を気にせず対応できました。
なお、Awiiinでは、顧客からの問い合わせ対応を効率化するツールを無料で提供しています。
ご興味のある方は、以下のサイトよりご確認願います。
海外で気づいた「日本製品と日本人セラーのすごさ」


オーストラリアで生活したことで、日本製品の品質と日本人の丁寧さがeBayで武器になると肌で感じました。
この章では、海外で感じた日本のすごさについて解説します。
私たち日本人セラーは、すでに大きなアドバンテージを持っているとも言えます。
オーストラリアで実感した日本製品への高い信頼
オーストラリアで生活して驚いたのは、日本製品が品質の高さから絶大な信頼を得ていることでした。
日本では当たり前の製品でも、海外の消費者にとっては魅力的に映っているようです。
経済産業省のレポートによると、日本の国家ブランド指数は2023年に1位を記録しているほど、信頼を得ています。


画像引用元:経済産業省
オーストラリアにおける日本製品の需要は、以下のとおりです。
- 高くても日本製だから買ってくれる消費者が多い
- 現地では手に入りにくい日本の便利な製品に需要がある
- 日本製品の細やかな工夫が高く評価されている



少し不便な環境を体験したからこそ、日本の製品がもつ機能性や品質そのものが、海外では大きな価値になると感じました。
日本の「丁寧さ」が付加価値になる
日本人として当たり前に行っていた丁寧な対応が、海外のバイヤーにとって付加価値になることを実感しました。
なぜなら、日本人としての誠実な対応が、海外のセラーとの差別化につながるからです。
例えば、以下のような日本人ならではの細やかな配慮が、ポジティブな評価やリピーター獲得に影響します。
- 商品の状態がきれい
- 丁寧に梱包してくれる
- 感謝の言葉を伝える



いつも通りの梱包方法で発送しただけで、「Wow! So careful!(なんて丁寧なんだ!)」とメッセージをもらったこともあります。
海外で特に需要のある日本製品のジャンル
オーストラリアでは、文房具やアニメグッズなどの日本製品のジャンルに高い需要があると感じました。
いずれの商品も日本の優れた技術が活用されており、海外のファンから根強い人気を集めています。
特に、以下のようなジャンルが人気です。






例えば、文房具であれば、PILOTや無印良品の商品が選ばれています。



日本人にとっては普通の品質でも、海外では「丁寧」「精密」「誠実」と評価されることが多いです。
「日本人らしさ=強み」になる点は、海外で生活したからこそ分かりました。
当ブログでは、海外で人気のジャンルを特集した記事も掲載されているので、ぜひご活用ください。


まとめ|海外でもeBayは続けられる!


オーストラリアでeBayを運用してみた結果、思っていたよりも日本にいるときと変わらず活動できました。
ただし、アカウント保護や発送体制など、日本にいる間に準備を整えることが重要です。
- アカウント制限を防ぐための事前対策
- eBayへの事前申告やセキュリティ設定を行う
- 日本にいる間に構築すべき運営体制
- 発送の外注化とバックアップ体制を作る
- USD(米ドル)で稼げる強み
- 「どこにいてもドルで稼げる」という越境ECならでの強みがある
- 海外で強みとなる日本の価値
- 日本製品への需要が高く、丁寧な対応が海外バイヤーから好評



eBayは、海外にいても“日本の良さ”を世界に届けられるプラットフォームです。
オーストラリアでの生活を通して、eBayの価値をより実感しました。
最後までご覧いただきありがとうございました。


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