2025年8月29日に始まったデミニマスルール廃止は、eBay輸出、特にアメリカ向け販売に大きな影響を与え、多くのセラーが不安を感じているのではないでしょうか。

この記事では9月の販売実績をもとに、トランプ関税の影響を私なりに整理しました。実際の売上推移、国別シェアの変化を公開します。
トランプ関税については下記の「DDPは導入すべき?トランプ関税後のeBay輸出、セラーが取るべき最適解」をご参考ください。


トランプ関税への対応はまずDDUでスタート
トランプ関税に対しては、DDPに切り替える方も多かったのではないでしょうか。



私は状況が錯綜していたため、アメリカ向けの販売は9月はDDUで対応しました。
シッピングポリシーを変更し、アメリカ向けは送料を80~100ドルで設定して実質的な販売停止を選択しました!
※送料設定には上限があるカテゴリーがあります。詳しくはこちらをご参考ください。
販売実績公開!売り上げの推移





実際に女性アパレルを扱うアカウントの販売実績を比較してみました!
月別の売上(USD)
対象アカウントの平均月売上は約$5,000前後です。
8月に比べて9月は売上も販売数も減少しました。
アメリカ向けの送料を高めに設定した影響でアメリカへの販売が減った一方、他国向けの価格は変えていないため、全体的にはアメリカ分が落ち込んだ印象です。
8月合計
Total sales:$4,840.95
販売個数:45個


9月合計
Total sales:$2,981.73(前月比 ▲38.4%)
販売個数:18個(前月比 ▲27個)





アメリカ向けへは送料を高めに設定していたにもかかわらず購入してくれたバイヤーもいて、その点はびっくりしました。
国別シェアの変化(%)


8月はアメリカ比率が約46%と圧倒的でしたが、9月は約24%に低下しました。
その分、イギリスやオーストラリア、フランス、タイなど複数国へ分散する結果となっています。
- 8月 上位5カ国
- United States 46%
- United Kingdom 7.3%
- China 5.3%
- Sweden 5.3%
- Germany 5.2%


- 9月 上位5カ国
- United States 24.5%
- United Kingdom 16.9%
- Australia 14.1%
- France 9.0%
- Thailand 8.6%


関税と手数料は実際どれくらい発生したか





基本的にDDUで発送しましたが、一部のリピーターやまとめ買いをしたバイヤーにはDDPを選びました。
配送方法はCpassのSpeedpack Economyを利用し、Orange Connex社の請求に基づき関税・手数料が発生しています。
事例1:セーター発送時の費用


- 商品価格:$188.99
- サイズ:30cm×20cm×3cm、重量600g


- 合計費用:7,613円
- 関税処理手数料:94円
- 関税・税金:4,474円
- 米国通関手数料:225円
- 運送料金:2,820円
為替145円/$換算で、商品価格の約17.5%が関税と手数料として上乗せされました。
ラベル発行時のCpass推定料金は6,733円だったため、確定料金と約1,000円の差がありました。
※CpassのSpeedpack Economyでラベル作成時の概算見積もりでラベル発行後、早くて2週間~1か月後に正式な請求書が発行され送料が確定します。請求書から関税、手数料の確認ができるので随時確認することをお勧めします。
事例2:ジャケット発送時の費用


- 商品価格:$368.99
- サイズ:25cm×20cm×2cm、重量400g


- 合計費用:10,645円
- 関税処理手数料:172円
- 関税・税金8,188円
- 米国通関手数料:225円
- 運送料金:2,060円
為替145円/$換算で、商品価格の約16%が関税と手数料として上乗せされました。
Cpassの関税、手数料についてはOrange Connex社の公式HPをご参考ください。公式HPを常に確認し、最新の情報を把握してください。
今後の対策と戦略





9月の実績を受け、今後は以下の対応を進めていく予定です。
①DDPに切り替え、商品ページに「セラーが関税を負担」と明記して安心感を与える
シッピングポリシーでCpassのSpeedpackを選択していると自動的にDDPでの発送を前提とした以下のメッセージが表示されます。
“This item includes applicable import fees—you won’t pay anything extra after checkout.”
訳:この商品には適用される輸入手数料が含まれており、チェックアウト後に追加で支払う必要はありません。
これにより、アメリカのバイヤーに対して「追加費用なし」「安心して購入できる」ことが明確に伝わり、顧客満足度と購買行くの向上が期待されます。


また、商品説明に目立つように「セラーが関税を負担します」というような文言を明記し、購入後に追加費用が発生しないことを伝えてバイヤーに安心感を持ってもらいたいです。
②ebaymagで他国販売を強化する
eBaymagを活用した他国販売の強化を進めます。



特にシェアが伸びたイギリスやオーストラリア、カナダへの強化を図ります。
eBaymagについて、詳しくは「eBaymagの完全ガイド」をご参考ください。


③マーケティング施策を強化する
eBayのセールやクーポンといったプロモーション機能を活用し、既存バイヤーのリピート購入と新規獲得を同時に進めます。
また、InstagramやFacebookなどのSNSを活用して、アクセス数を増やすことで販売機会を広げたいと考えています。
マーケティングツールといえばBee!


顧客対応から販売分析までできるAIツール「Bee」を活用すれば、作業負担を軽減しながら効果的にマーケティングを進められます。
④ホリデーシーズン・年末商戦に向けて準備する
1年で最も売れるとされる12月のホリデーシーズンは、eBayセラーにとって最大の販売チャンスです。
自分へのご褒美はもちろんギフト需要が高まり、クリスマス関連アイテムやギフトに適した商品が特に人気が出やすい傾向です。
また、日本の年末年始と重なるため、配送遅延のリスクが高まる時期でもあります。
バイヤーに安心して購入してもらうためには、発送までの期間や配送手段をあらかじめ明記し、必要に応じて取引メッセージで丁寧に連絡をしておくことが効果的です。これにより、配送に関する問い合わせやトラブルを減らし、信頼度を高められます。
まとめ


デミニマスルール廃止後、DDU(バイヤー関税負担)で対応したところ、売上は前月比で約38%減少し、販売個数も大幅に減りました。アメリカへの販売が減少し、他国に分散する結果となりました。
一部DDP(セラー関税負担)で発送した事例では、商品価格の16%〜17.5%が関税と手数料として上乗せされることが判明しました。
今後はDDP導入やeBaymagによる多国展開、Beeを活用したマーケティング強化で柔軟に対応し、ホリデーシーズンを最大限に活かしていきます。



最後までお読みいただきありがとうございました!
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